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ライプチヒ 聖トーマス教会合唱団の"Motette"を聴く

2009年8月21日(金)
聖トーマス教会でのThomarchor(聖トーマス教会合唱団)のMotette(モテット)がシーズンの幕を開けた。Motetteは基本的に毎週金曜の18時と土曜の15時から2ユーロで聴くことができる。本日はシーズンはじめとあって聴衆は満員。開演の1時間も前から人の列ができた。演奏会に先立って今年の新入生は9名が紹介された。
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Motetteは中世末期からルネサンス音楽(15〜16世紀)にかけて成立したミサ以外で演奏されるポリフォニーによる宗教曲のことである。
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聖トーマス教会のMotetteといえばバッハが一般的ではあるが、今回はメンデルスゾーン生誕200年祭にちなんでメンデルスゾーンの“Te Deum laduamus(我ら神であるあなたを讃えん)„が歌われた。これはカトリック聖歌の一つであり、メンデルスゾーンは、1826年、弱冠17歳の時にこの曲を書いている。ユダヤ人として、プロテスタントに改宗していた家に育ち、ルターに思いをはせ、バッハを心から尊敬したメンデルスゾーンの原点は教会音楽にあったといえるだろう。
聖トーマス教会の音楽監督であるゲオルグ・クリストファー・ビラーに率いられた厳かでいて若い力がみなぎったトーマス合唱団の歌声は、その当時のメンデルスゾーンの精神をそのまま表現しているように感じられた。そして、現在の聖トーマス教会の右側の窓にはバッハ、ルター、そしてメンデルスゾーンの肖像がステンドグラスのなかに刻み込まれている。
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このモテットの演奏会では最初と最後に2つのオルガン音楽が演奏された。
始まりはバッハのPassacalia(パッサカリア)ハ短調、そして終わりにはメンデルスゾーンのオルガンソナタハ短調 Op.65/2のGrave-Adagio。2曲のc-mollのなかにピッチの変化が感じられた。メンデルスゾーンはあくまで平均率を意識した音程に保たれていたが、少なくともバッハは純正律を意識したやや高めのピッチに設定されていた。
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聖トーマス教会というすばらしい空間の中で、そこに存在していた実際の音楽家を感じながら静かに過ごせた時間のなかで、音楽の原点というものをあらためて感じさせられた。

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聖トーマス教会合唱団 (2009.8.21 ライプチヒ 聖トーマス教会)
指揮 Georg Christoph Biller
オルガン Ullrich Böhme
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by aurorapiano | 2009-08-26 01:03 | 教会音楽

音楽・四方山話


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