本日のカデンツァ

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ゲバントハウス メンデルスゾーン音楽祭”宗教改革”

8月21日よりライプチヒではメンデルスゾーン生誕200年音楽祭が始まった。
初日、オープニングコンサートはゲバントハウス大ホールで行われた。ゲバントハウスはライプチヒのZentrumからほど近いAugust Platz に位置する。向かいにはオペラハウス、すぐ横にはMDRの斬新なビルが建ち、新旧いろいろ混在した不思議な音楽空間である。またゲバントハウスから5分のところに少年時代、メンデルスゾーンが過ごした家(現在のメンデルスゾーンハウス)、10分ほどでロベルト・シューマンがクララ・ヴィークと結婚してすぐ4年ほど生活したInserlstrasseの家にたどり着く。先日、ゲバントハウスの前を散歩しているとMDRの主席指揮者である準メルクル氏と偶然にもすれ違った。
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メンデルスゾーン祭のオープニングのタクトはMaukus Stanz(マルクス・スタンツ)。2003/04年のシーズンからケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団(ケルン歌劇場のオケでもある)の首席指揮者であり、今シーズンからはマンチェスターのハレ管弦楽団の客演指揮者も兼任する若手の指揮者である。ビオラのソロで始まる、D.Glanertの“オーケストラのための無言歌”(世界初演)で幕を開けた。
続いてラベック姉妹によるメンデルスゾーンの“2台ピアノと管弦楽のための協奏曲”。このふたりの息のあったアンサンブルは今なお健在だ。軽くて女性らしく美しいタッチに粒のそろった早いスケール。ピアノのソロパート、カデンツァもまるでひとつの意識が4本の手をコントロールしているかのように感じられた。
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実力派でしかもビジュアル系のラベック姉妹は、鳴り止まない会場の拍手に応えて、連弾をサービスしてくれたのも感動!よく見ればことに姉のKatiaは10cm以上もあるピンヒール。これでよく華麗なペダリングをと思うとこれまた感動!であった。
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続くメンデルスゾーンの交響曲5番“宗教改革”。数時間前のMotetteを思い出しながらゆっくり耳を傾けることとした。
この曲はメンデルスゾーンが21歳の作品で、交響曲1番に続いて作曲された。ルターの宗教改革を記念して作られたため“Reformation“と名付けられた。
この交響曲にはドレスデンアーメンに加えて、ルターが1529年に作ったコラール“Ein Feste Burg unsere Gott“がモチーフとして引用されていることで知られる。

弦の厳かな序奏で始まり、たっぷりとしかも崇高にドレスデンアーメンを奏でる。トランペットはまるで教会のパイプオルガンの音が直接空気に振動するかのように厚みをもった張りのある音で改革の扉を開ける。金管の空気の振動を残したまま弦が弱音で厳かに始まり、革新を表現するかのようにニ短調が始まる。とにかく金管の響きの正確さと力強い美しさが際立っていた。
つづく2楽章はクラリネットとフルートのアンサンブルが同質の音色であり、心地よい。その旋律を支えるように弦楽の調べが強弱をつけながら軽快に進んでいく。まるで改革の扉を開くように高らかに、リズムは一定でありながら、音質の強弱によりメリハリをもった音楽に仕上がっていた。
弦楽の調べで静かに始まる3楽章。スタンツは指揮台に棒を静かにおいた。右手、左手を自在に動かし、ルターやメンデルスゾーンの改革に対する深い思慮を演出する。そこから静かにも敬虔な旋律が紡がれ、フルートの調べでもってルターのコラール“神はわがやぐら”を用いたライトモチーフで間をいれず4楽章が始まる。コラールが終わりテンポがあがるやいなやスタンツの右手には指揮棒が戻った。
フィナーレにはテンポを変化させ進めることによってAnimato(アニマート)を強調。最終章は再びコラールモチーフに戻り高らかに改革の扉が開いた。

シーズンのオープニングコンサートとあってか、終演後にホワイエでは観客にドリンクとお食事のサービス。ゼクトとサンドイッチでメンデルスゾーンに乾杯!
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ゲバントハウス管弦楽団 
指揮 Markus Stenz
ピアノ Katia und Marielle Labeque
(演奏曲目)
Detlev Glannert : "オーケストラのための3つの無言歌"
Mendelssohn : ”2台ピアノとオーケストラのための協奏曲””交響曲5番〈宗教改革〉”
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by aurorapiano | 2009-08-30 18:05 | オーケストラ

音楽・四方山話


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