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「町人貴族」という作品

「町人貴族」はコメディ=パレという宮廷社会で繰り広げられたバレエ分野の作品で、1670年、かの有名なフランスのモリエールが台本を書き、同時代に生きたフランスバロック音楽の作曲家であるリュリが音楽を、ボーシャンが振り付けを担当してパリのシャンボール離宮で国王ルイ14世を初め多くの貴族の前ではじめて上演された。
この町人貴族の作品には、貴族階級がもてはやされ、宮廷での長時間にわたるバレエ上演が流行していたその時代背景が目に浮かぶように描かれている。

現代の時代に少しも似通ったところがない300年以上も前のおとぎ話のようであるにかかわらず、何故か親近感がわいてくる作品だ。
人の心の根底にあるものは、途絶えることなく、何百年の時空を隔てて見事に伝わってくる。俳優としても活躍したモリエール自身が、主人公ジュールダンを演じた。ジュールダンはお金を使い、剣やダンスや音楽や哲学の個人レッスンを受け、おまけに仕立て屋に貴族風のとびきりの洋服を作らせる。
仕立て屋が“貴族はみんな花は下向きにつけています”といえば“ほう、じゃこれでよろしい”と答える。
自己顕示、自己向上心、それは“I love me“として生きようとするある種、人として本来の姿ではないだろうか。

リュリの音楽は、リヒャウト・シュトラウス組曲「町人貴族」の中でフランスバロック的に見事に再現される。ジュールダン娘リュシールにトルコ王子に扮して登場する際のクレトント登場の音楽はとても印象的だ。

モリエールの台本とリヒャウト・シュトラウスの音楽から現代の私たちは何を連想できるだろうか。優雅さと豊かさをどれほど感じることができるだろうか。

今日からの新日本フィル(指揮上岡敏之、ピアノ若林顕)の演奏会が楽しみだ。
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by aurorapiano | 2009-04-27 18:06 | オーケストラ

音楽・四方山話


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