本日のカデンツァ

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そしてラ・トラヴィアータ 3つの“E strano!”

“E strano!”とは “不思議だわ・・・”


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1幕最後のヴィオレッタのアリアは“E strano, E strano・・・”で始まる。楽しいパーティーからひとりになる場面である。
ここでヴィオレッタは誠実な愛を歌う。歓喜と苦悩の両方が存在している。ひとりの男性からの愛,道から外れた女,そして不治の病。そこには感情の混迷が溢れている。そして悲劇の予感を少し感じさせながら真実の愛,生きる力を描き出していく。


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2幕ジェルモンが登場する直前の“E strano!”真実の愛を引き裂かれていくかもしれない悲しみの強い予感。神は許してくれても,世間は許してくれないのね。
次第ににふつうの女性としてのヴィオレッタの強い絶望感がひとつの死生観として見え隠れしてくる。


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そして3幕のフィナーレ。1幕最後のアリアで全世界の中でもっとも神秘的で誇り高いアルフレードから愛のメロディのイントロのあとの、最期の“E strano!”
止まったわ、激痛が、苦痛が。いつもと違う活力がうまれ、生きることに戻れるかもしれない・・・神よお救いください。
最期を前に、不思議に苦痛がなくなる瞬間があるという。

“E strano!” とは“人間の認識理解をこえていること。人知の遠く及ばないこと。”
これはふつうの生活の中にもある感情であり、E strano!によりドラマが少しずつ変化していくのだろう。 
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by aurorapiano | 2008-06-25 18:15 | オペラ

音楽・四方山話


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